【コラム】病害虫について

病害虫について

栽培するにあたって注意しなければならないのは、病害虫です。
株が弱っている、葉や根に傷があるとかかりやすくなり、さらに病害虫にかかると生育が極端に悪くなります。
最悪、枯れてしまう場合もあります。病害虫にかかりにくくするためには、まず健全な株を育てていくことが重要です。
そのためには次のことに気を付けましょう。

  • 風通しを良くしましょう。
  • その時期その時期に適切な管理をしましょう。
  • 日光に当てるようにしましょう。
  • 使用する器具は全て消毒をしましょう。

気にかかってしまった、害虫がいたら…

まずは次の対処法をおこなってください。

  • 他の株に移らないように一度、病気株を離して管理してください。
  • 異常を感じたらすぐに他の株から離してください。
  • 病気・害虫が何なのかを調べてから、それに合った処置を行ってください。
  • まだ症状が軽い場合は病気部分を切り取り、病気部分はしっかりと処分してください。

消毒をする際の注意点

病気・害虫が何なのかを調べてから、それに合った薬剤を選択して処置を行ってください。
夕方、日が沈み涼しい時間帯におこなってください。昼間や温度が高い時間におこなうと、薬害を起こします。
メガネやマスク、手袋をして薬剤の飛散をしっかりと防護してください。

病害虫の種類

軟腐病

芽や葉の付け根に水にぬれたような病斑が出てきます。
その病斑は広がり茶色くなって腐っていきます。

水やりなどによって他の株に移る病気なので発生したらすぐに他の株と離してください。
軽度の症状であれば、その部分を切り取って消毒してください。
その後は乾かし気味に管理してください。
株元にまで病斑が広がっていたら、重度です。

※軽度の軟腐病
※重度の軟腐病

他の株から離し、幹部を乾燥させて消毒を行い、その後は乾かし気味に気味に管理してください。
消毒に使用する薬剤はストレプトマイシン、アグレプト水和剤、スターナー水和剤などです。

褐斑細菌病

葉に水でぬれたような斑点が発生し、その後、株全体に広がって枯れてしまいます。

高温多湿になると発生しやすくなります。

症状が軽い場合は患部を切り取って消毒し、その後は風通しの良い場所で管理してください。
ひどくなると軟腐病に似た症状が表れてきます。
消毒に使用する薬剤はストレプトマイシン、アグレプト水和剤、スターナー水和剤などです。

灰色かび病

別ボトリチスともいい、花に黒い斑点が出てきます。

風通しが悪かったり多湿になると発生しやすくなりますので、風通しは良くして多湿を避けてください。
また水を与えるときに花に水がかからないようにしください。

ウイルス病

植え替え時に使うハサミやアブラムシ等の害虫などからうつります。

上部の葉の色が黄色くなる、葉がモザイク状になる、新芽が縮れるといった症状が現れると、ウイルス病の可能性が高いです。
ウイルス病にかかった株は残念ながら処分するしかありません。
そうならないために、予防としてハサミなど植替えに使う道具は消毒をおこなってください。
ハサミの消毒はライターでおこなえます。

カイガラムシ

寄生すると葉の裏に茶色く平べったい突起や葉の根元に白く粉っぽい症状が現れます。
体がロウ状の物質で覆われているので、薬剤がはじかれて、効きにくいのが難点です。

消毒を行う際は、はじめに歯ブラシでやさしく擦ってカイガラムシを落としてからおこなうと効果があります。
カイガラムシは貝殻をかぶりへばりついて吸汁します。幼虫のころは歩いて移動ができ貝殻もまだないのでこの時期に消毒をおこなうと効果があります。

ハダニ

ハダニはとても小さいため目視では見つけることはできません。
ハダニが付くと汁を吸った跡として葉の裏に白いかすり状の症状が現れます。

ひどい場合は葉の表も吸われて生育が極端に悪くなります。見つけ次第消毒を行ってください。

ただし、ハダニは同じ薬剤を使い続けると抵抗性が出てくるので、3種類の薬剤をローテーションして使用してください。 写真はハダニによる吸汁されたた跡です。葉の裏に出やすいため、気付かないうちにひどくなっている場合が多いです。

このような症状がでたら注意して消毒を行ってください。