【病気・種類と対処】胡蝶蘭の育て方
▼【病気・予防と初動処置】胡蝶蘭の育て方
※本記事とあわせてお読みいただくことを推奨します
病気は、胡蝶蘭を育てるにあたって注意しなければならないものです。
病気の種類によって、適切な対処が変わります。
間違った方法で行う・対処が遅れると、最悪の場合枯れてしまうことも…。
・病気や病害虫の種類を知りたい
・それぞれの対処の仕方が気になる
今回はそんな方向けに、病気について知るための「病気の種類の紹介や種類に合わせた対処方法」についてお話します。
※この方法のとおりやれば必ず回復するというものではありません。あくまでもご参考程度に読んでいただけますと幸いです。
病気の種類と対処方法
代表的な胡蝶蘭の病気と、その病気の対処法についてご紹介します。
なお、これから紹介する対処法には、薬剤をを使用するものがあります。
薬剤を使用する場合は以下の点に注意してください。
!消毒時の注意点!
・薬剤の飛散をしっかり防護しましょう
消毒をする場合は、人体に影響がでないようにメガネ・マスク・手袋などを着用しましょう。
・涼しい時間帯の消毒を推奨します
昼間などの温度が高い時間帯に行うと薬害を起こす可能性がありますので、夕方や日が沈んだ後などの時間帯に行いましょう。
立ち枯れ病
葉っぱが株の根元または真ん中から黄色くなり落ちていってしまう病気です。

初期症状
重症になると、復活はできません。

重症
対処法
黄色い葉は取って捨てます。
病気の部分にはスプレーをして消毒します。
▼効果のある消毒薬
オーソサイド水和剤、タチガレンエース、トップジンMなど
※用法容量は消毒薬の表記を守って使用してください
処置後
なるべく風通しのよい場所で管理しましょう。
(高温多湿や風通しの悪いと発生する病気です。)
水やりは、いつもの間隔より3日以上あけて乾かし気味にします。
病気が移る可能性があるので、他の植物は病気の株から離しましょう。
軟腐病
葉や株の根元に、水にぬれたような病斑が出てきます。
病斑は広がり茶色くなって、腐っていきます。
比較的、梅雨の時期(長雨または高温多湿)にでやすい病気です。

症例
病気の株を触った手で健康な株を触るだけで、健康な株が病気になることがある、非常に感染力が強い病気です。
感染力が非常に強いうえに、病気の進行するスピードもとても速いです。
気づいたときには手遅れが多く、その時は処分するしかありません。
対処法
他の株にうつる病気のため、発生したら病気の株をすぐに離してください。
その後は症状の程度に合わせて対処をします。
▼軽度の場合
症状が出ている部分は切りとって捨てます。
症状が出ていない部分には消毒をしましょう。
なお消毒の前に、株を2~3日しっかりと乾かしましょう。

経度の様子
▼重度の場合
株元にまで病斑が広がっていたら、重度です。
患部を乾燥させて消毒を行います。

重度の様子
▼効果のある消毒薬
ストマイ液剤・ビスダイセン水和剤・ジマンダイセン水和剤など
※用法容量は消毒薬の表記を守って使用してください
処置後
乾かし気味に管理をしてください。
褐斑細菌病
水でぬれたような斑点が葉っぱに発生し、その後、株全体に広がり、最終的には枯れてしまいます。
高温多湿になると発生しやすい病気です。

症例
対処法
▼軽度の場合
症状が出ている部分は切りとって捨てます。
症状が出ていない部分には消毒をしましょう。
▼重度の場合
軟腐病に似た症状があらわれてきます。
患部を乾燥させて消毒を行います。
▼効果のある消毒薬
ストレプトマイシン、アグレプト水和剤、スターナー水和剤など
※用法容量は消毒薬の表記を守って使用してください
処置後
風通しのよい場所で管理してください。
灰色かび病(別名:ボトリチス)
花に黒い斑点がでてきます。
風通しが悪く、花に水滴がついたり低温多湿な環境下にあると発生しやすい病気です。

症例
乾燥防止のために行う霧吹きをしすぎると出てしまうこともある病気です。
対処法
斑点を消すことはできません。
いま以上に斑点が広がらないように、風通しを良くして、多湿を避けて管理しましょう。
また、花に水が直接かからないように水やりをしましょう。
処置後
乾燥させると進行は止まります。
湿度が高い場所に置いたり、霧吹きを続けると増加・再発してしまいますので、注意しましょう。
ウイルス病
植え替えのときに使うハサミや、アブラムシ等の害虫からうつる病気です。
・上部の葉の色が黄色くなる
・葉がモザイク状になる
・新芽が縮れる
といった症状が現れると、ウイルス病の可能性が高いです。
対処法
ウイルス病にかかった株は、残念ながら処分するしかありません。
そうならないためにも、植え替えに使うハサミなどの道具は消毒を行い、ウイルス病を予防しましょう。
ハサミの消毒はライターでもおこなえます。
病害虫の種類と対処方法
病気を引き起こす害虫のことを、病害虫と呼びます。
ここでは、代表的な胡蝶蘭の病害虫と、引き起こされる病気の対処法についてご紹介します。
カイガラムシ
カイガラムシはその名の通り貝殻のようなものをかぶっており、葉にへばりついて吸汁する害虫です。
寄生すると葉の裏に茶色く平べったい突起や、つぼみや葉・株の根元に白く粉っぽい症状が現れます。

症例1:白い綿のようなものが出た

症例2:茶色い塊のようなものが出た
対処法
カイガラムシを落としてから、薬剤で消毒をおこないます。
!ポイント!
カイガラムシは、からだがロウ状の物質で覆われているため薬剤がはじかれ効きにくいです。
そのため消毒の前に歯ブラシでやさしく表面をこすり、カイガラムシを落としてからおこないましょう。
薬剤をはじかれるのを防ぐために、展着剤(界面活性剤)を使ってもよいでしょう。
※幼虫のころは貝殻がまだありませんので、消毒の効果がでやすいです
▼効果のある消毒薬
アグテリック、ベニカ、オルトランDX、スミチオンなど
※用法容量は消毒薬の表記を守って使用してください
ハダニ
ハダニはとても小さいため目視では見つけることはできません。
ハダニが付くと汁を吸った跡として葉の裏に白いかすり状の症状が現れます。

症例
葉の裏に症状が出やすいため、気づかないうちにひどくなっている場合が多いです。
ひどい場合は葉の表も吸われて生育が極端に悪くなります。
乾燥していると発生しやすい病気です。
対処法
症状が出ているところに消毒を行いましょう。
▼効果のある消毒薬
コロマイト乳剤・バロックフロアブル・ダニ太郎・スプラサイド乳剤など
※用法容量は消毒薬の表記を守って使用してください
処置後
1回の消毒で症状が治まらない場合は、再度消毒をします。
なおハダニは同じ薬剤を使い続けると抵抗性が出てきます。
3種類程度の薬剤をローテーションして使用するのがおすすめです。
コナダニ
つぼみや花が黄色くなる病気です。
乾燥や、環境の変化でも起こりうる病気です。

症例
対処法
ハダニと同様、症状が出ているところに消毒を行いましょう。
▼効果のある消毒薬
スターマイトフロアブル・バロックフロアブルなど
※用法容量は消毒薬の表記を守って使用してください
まとめ
以上、「胡蝶蘭の病気 種類と対処編」でした。
病気の原因や要因というものは、複雑です。
「上述の対処法を実践したけれど治らない…」
ということもございます。
※本記事の通りにすれば100%治るという保障は致しかねます。
あくまでアドバイスとして留めていただけますと幸いです。