【基本・開花中の管理】胡蝶蘭の育て方

せっかく手元に届いた胡蝶蘭、できるだけ長く楽しみたいですよね。
高級なお花ですから、取り扱いに悩まれる方も多いでしょう。

・お花初心者向けの育て方が知りたい
・胡蝶蘭を長く楽しむ方法が気になる

今回はそんな方向けに、胡蝶蘭を楽しく育てる基本編「開花中の管理」についてお話します。

前提:できるだけ育った環境に近づける

まず、ひとつ覚えておいていただきたいことがあります。

それはできるだけ育った環境に近づけることが大切ということ。

胡蝶蘭は急激な変化が苦手な植物。
これまで育った温室の環境とはまったく違う環境になると、ダメージを受ける可能性があります。
(例:寒暖差の激しいご自宅・店舗・外)

人間も新しい環境に身を置くと、多少なりともストレスを受けますよね。
それと同じことです。

私たちが取り扱う胡蝶蘭は、このような環境で育てています。
・直射日光を約50%遮光する温室の中
・気温はだいたい18度から25度くらい

この環境にできるだけ似ている環境を用意できれば、胡蝶蘭へのダメージが最小限で済みます。
手元に届いてから環境になじむまで、最初の1週間が勝負です!

…と、ひとことに言われても難しいと思いますので、胡蝶蘭に最適な環境づくりのポイントをこれから5つご紹介します。

胡蝶蘭を楽しむときの5つのポイント

1.最低10度~最高30度の適温にする

胡蝶蘭は熱帯・亜熱帯地方に咲くお花なので、寒さに弱い性質を持ちます。
しかし極端に暑すぎるのも苦手。
人間と同様、胡蝶蘭にも適温があります。

胡蝶蘭の適温は、最低10度以上、最高30度以下。
品種によって多少の違いはありますが、この気温内で育てることを心がけましょう。

2.レースカーテン越しのやわらかい光を当てる

植物が元気でいるのにかかせない光合成。
胡蝶蘭も光合成をしますから、ほどよい光を当ててあげましょう。

おすすめは、レースカーテン越しのやわらかい光
日光を適度にさえぎりつつ、光合成に必要な程度の光を当てることができます。

なお直射日光などの強い光は葉焼けを起こす可能性があるため避けましょう
※葉焼けとは、直射日光によって葉が熱を持ち傷んだ状態のこと。人間で例えると、火傷をした状態。

※軽度の葉焼けの状態
※重度の葉焼けの状態

3.風通しをよくする。でも冷房や暖房機の乾燥風はNG!

湿度過多による根腐れを防ぐために、風通しの良さは大切です。
ある程度の湿度の高さを保ち、花びらが揺れないくらいのそよ風が吹く場所が良いでしょう。

ただし冷房や暖房機が吹く乾燥した風は、胡蝶蘭に直接当ててはいけません
胡蝶蘭が弱り、花びらが早く散る・つぼみが咲く前に黄化してしまう原因となります。

4.水はタイミングをみて株元に適量を

水やりは、気温や湿度などの環境によりタイミングや量が異なりますので、あくまで目安をご紹介します。
目安を参考にしつつ、植え込み資材や根の様子を確認しながらお水をあげていきましょう。

水やりの間隔

胡蝶蘭は、毎日お水をあげる必要はありません。
植え込み資材の特性によって、適切な間隔は異なります。

  • ミズゴケの場合:1~2週間に1回
  • バークの場合:1週間に1回

水やりの場所

植物は根っこから水分を吸収しますので、根っこに届くようにお水をあげましょう!

葉っぱではなく株元にかかるように。

水やりの量

適切な量は、胡蝶蘭の種類やサイズによって異なります。

  • 大輪などの大きい株は、1株に対してコップ1杯程度
  • ミニなどの小さい株は、1株に対して大さじ1杯程度

▼水やりの応用知識編はこちら

【水やりの応用知識】胡蝶蘭の育て方

ここでは、胡蝶蘭の水やりの応用知識について説明しています。通常の水やりに加え、シチュエーション別の水やりのポイントを解説します。

5.急激な変化を起こさない!

はじめにお伝えしたように、胡蝶蘭は急激な変化を嫌います。
そのため長持ちさせるには一定の状態に保つことが大事です。
一度基準を決めたら、その後はできるだけ変えないようにしましょう。

まとめ

以上、「胡蝶蘭の開花中の管理方法」でした。

デリケートなお花ですが、ポイントを抑えればOK。
大きな環境変化は起こさずに、基本に忠実に育てましょう。

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